キャリア教育プログラムの効果測定
効果測定の指標
文部科学省のキャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議では、職業的(進路)発達にかかわる諸能力として「人間関係形成能力」「情報活用能力」「将来設計能力」「意思決定能力」の4領域、およびこれをブレークダウンした8能力-
- 自他の理解力
- コミュニケーション力
- 情報収集力
- 職業理解力
- 役割把握力
- 計画実行力
- 選択力
- 課題解決力
-の育成を提言している。
これに対して、経済産業省は、社会人基礎力に関する研究会において、「社会人基礎力」という概念を打ち出し、「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」の3領域、およびこれをブレークダウンした12能力-
- 主体性
- 働きかけ力
- 実行力
- 課題発見力
- 計画力
- 創造力
- 発信力
- 傾聴力
- 柔軟性
- 情況把握力
- 規律性
- ストレスコントロール力
-の育成を提案している。
南大阪地域大学コンソーシアムの指標は、職業的発達に関わる諸能力と社会人基礎力の概念的定義を整理するとともに、より広義の「人間の基礎力(以降、人間基礎力と呼ぶ)」に相当する諸能力の整理を行うために、PISA 型の4リテラシーと堺市において実施されたキャリア教育プログラムで育成を意図する思考プロセスの3能力、それにキャリア教育プログラムを実施した経験のある小学校教員に対するアンケートから上記の能力には含まれていない項目を精査して加えた。
その結果、人間基礎力が「主体性」「働きかけ力」「実行力」「課題発見力」「計画力」「創造力」「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「情況把握力」「規律性」「情報収集力」「職業理解力」「説得力」「プレゼンテーション力」の15 項目、自己に関する心理指標が「自己肯定感」「達成動機1」「達成動機2」の3項目、職業観と社会的関心に関することが「将来展望」「将来の希望」「社会的興味・関心」の3項目で、計21項目が抽出されている。測定項目と操作的定義については表1に示した通りである。