私たちは、「小さい」「優しい」「おっとりしている」と生徒に言われる横川寿美子先生に指導して頂いています。趣味は、映画☆好きな本は、『若草物語』と言う先生。

 そんな横川先生の児童文学を始めたきっかけは、大人の文学には救いがなく子どもの文学にはあると思ったから。児童文学を研究していて良かったと思うときは、色々な人と出会えて共通の話題があること。さらに、嫌だと思うときは、夢のある仕事ですねと言われた時…。これから児童文学を始めようと思う人に一言と質問すると「自分でも気づかなかった子どもの頃のことが整理でき、わかるかもしれません」と笑顔で答えて頂きました!!
横川寿美子先生を囲んで

 私たちのゼミの人数は9人で先生を合わせてとても仲がとても良い楽しいクラスです。今年の9月2・3日には、箱根の「星の王子様ミュージアム」へ行きました。新幹線では、先生の好きなマンガや今までお会いしたことのある児童文学者のお話などサラリーマンの多い金曜の新幹線の中でとても盛り上がりました。

 普段の授業は、短い児童文学を読み、それについて1人が作者などを調べてきます。そして、物語について出た感想と疑問点について話し合います。今は、夏休みの間に読んだメアリー・ノートン著『床下の小人たち』のレポートを作成し、9人の意見を交換しています。「この物語によって何を伝えたいのか」など様々な意見の中でも説得力のある意見には感心させられます。

 横川先生は、ゼミの途中で紅茶を入れてくれるのですが、最近ではケーキ屋でバイトしている子がいるのでちょっとしたお茶会になっています。美味しいものが食べられるのでゼミのある水曜日が早く来ないかと楽しみです!!

 ゼミの仲間と仲良くなり、お互いに刺激しあいながら学ぶ児童文学の世界はとても勉強になります。さらに先生は、一人一人の意見を広げてくれます。そこが横川先生の魅力だと感じます。そして横川先生は、私たちの自慢の研究室の先生です。



透過型電子顕微鏡
 「未知な現象に興味を持ち、研究の楽しさに触れる」私たちの研究室では、このような考えを持って研究を行っています。今回は我々、大阪府立大学総合科学部物質科学科量子物性研究室の紹介をしたいと思います。

 私たちの研究室では、おもに様々な物質での結晶構造の温度変化と、その物質が持つ性質(これを物性と言います)の温度変化との関係、特にナノ単位での構造変化について、透過型電子顕微鏡と呼ばれる装置等を用いて調べています。皆さんナノという言葉はご存知でしょうか?ナノというのは長さの単位nm(ナノメートル)で表される大きさのことで、メートルに直すと10億分の1mを表します。具体的には、皆さんの髪の毛の直径の約3万分の1程度、ゾウリムシの約千分の1程度といった、目では到底見ることができないめちゃくちゃ小さい長さのことを言います。
 このようなナノ単位の物を見る方法の一つが、私たち自慢の透過型電子顕微鏡(通称TEM)です。何が自慢なのかというと、まず拡大できる倍率が1000万倍と非常に大きいことです(身長1mの子供を地球の直径程度に拡大できるぐらいの倍率です)。このため、原子の像を直接目で見て観察できます。また、観察可能な温度の範囲がとても広いことも自慢です。具体的に言うと、−268℃〜600℃ぐらいまでの温度範囲で観察が可能で、これだけ温度を変化させられる透過型電子顕微鏡は、世界中でも数少ないです。こういった温度範囲内でこの透過型電子顕微鏡を直接操作して、実験できるのが私の人生の中でものすごく貴重な体験になります(笑)。ではこの透過型電子顕微鏡で何が観察できるのかというと、一つは高分解能像と言って、先ほど述べたように原子の配列を直接目で見ることができます。また電子回折図形と言って、原子配列に関係して出てくるたくさんの斑点を見ることもできます。これらの高分解能像や回折図形中の斑点の並び方は、物質の結晶構造の違いによって変化するので、これらを写真で撮ってやることで、物質の結晶構造がはっきり理解することができます。
 私の担当教官である研究室の森茂生助教授は、「理論家の話は鵜呑みにせず、自分で確かめることにこだわって、本質に迫りなさい。」とよくおっしゃいます。実際に私たちは、電子顕微鏡を使って試行錯誤しながら、「自らの目で見る」実験を行なっています。この電子顕微鏡の操作は職人芸(!)ですので、思い通りに使うのには一苦労しますが、それでも実際に顕微鏡の像がはっきり見えた時だとか、構造の変化を直接目で見ることが出来たりした時などは、とても感動します。また実験の休憩時間に先生と学生とでいろいろなことについて楽しくお喋りしたりして、研究室の雰囲気も明るいです。このように希少な実験装置を使い、先生や学生が一体となって実験に取り組みながら、貴重な体験・楽しい研究生活が送れる、そんな研究室です。


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